所 属 | 京都大学 人間健康科学科 理学療法学専攻 |
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氏 名 | 谷口 匡史 |
発表日 | 2025-04-14 |
論文概要 | この研究は、膝関節症(膝変形性関節症:OA)をもつ高齢者において、「歩行中のステップ時間変動性(step-time variability)」が疾患特有の歩行特性であり、かつ機能障害と結びつくかを、ながはま0次コホートにおいて解析したものです。対象は 60 歳以上の 1,591 名で、それぞれ膝 X 線撮影および慣性センサーを使った歩行解析を受け、歩行速度、歩調(cadence)、歩幅、ステップ時間変動性などを測定しました(膝 OA 群:593 名、対照群:998 名) 。 ロジスティック回帰分析において、ステップ時間変動性は膝 OA と有意に関連(調整後オッズ比 1.08, p = 0.037)していました。さらに、膝 OA 群における機能スコア(Knee Scoring System:KSS)を目的変数とした回帰では、歩行速度の低下およびステップ時間変動性の上昇が、KSS の低下(機能障害)と有意に関連しました(速度 B = 13.60, p = 0.004/変動性 B = –0.82, p = 0.005)。これらの結果から、ステップ時間変動性(歩行リズムの乱れ)は、膝関節症特有の歩行異常を示す指標であり、機能低下評価や歩行異常のスクリーニングに有用である可能性が示されました。 【原題】Step-time variability is a specific gait characteristic associated with functional disabilities in knee osteoarthritis: The Nagahama study |
雑誌名 | Gait & Posture |
URL | 40273668 |