所 属 | 京都大学 眼科 |
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氏 名 | 項 然 |
発表日 | 2025-02-14 |
論文概要 | この研究は、光干渉断層撮影(OCT)を用いて、網膜血管(動脈・静脈)の外径/内径、血管壁の厚さ、反射率といった詳細な構造的指標を、年齢・性別・BMI(体格指数)との関連から解析することを目的としたものです。対象はながはま0次コホート参加者の 6,981 名、OCT 画像で大きな血管 4 本ずつを測定しました。解析結果では、動脈は静脈と比べて径は小さく、壁厚・反射率は大きいという特徴が確認されました。年齢との関連では、動脈径には U 字型の関係が示され、60 歳以上では 30~40 歳代および 50 歳代よりも径が大きい傾向が見られました。静脈径は年齢上昇と共に線形的に縮小しました。さらに、動脈壁厚・反射率はいずれも年齢とともに増加傾向を示しました。性差では、女性は動脈径が男性より大きく、静脈径は逆に小さい傾向がありました。BMI との関連では、BMI が高いと動脈径が小さく、静脈径と動脈壁厚は大きくなる傾向が観察されました。本研究は、OCT を用いた網膜血管構造の定量評価が、加齢や体格といった特徴と強く関連することを示しており、眼の血管状態を通じた血管健康の把握に寄与する可能性を示唆します。 【原題】 OCT-Based Retinal Vasculature Analysis: Age, Sex, and Body Mass Index Associations in the Nagahama Study, a Large Japanese Cohort |
雑誌名 | Ophthalmology Science |
URL | 40206266 |