所 属 | 岡山大学 眼科 |
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氏 名 | 松尾 俊彦 |
発表日 | 2024-06-26 |
論文概要 | "この研究は、日本人を対象に、内斜視(esotropia)、外斜視(exotropia)、および原因不明の上斜筋麻痺(idiopathic superior oblique muscle palsy)という眼位異常に関連する遺伝的要因を探る全ゲノム関連解析(GWAS)です。対象は計711名(内斜視253例、外斜視356例、上斜筋麻痺102例)で、SNP(単一塩基多型)を調べ、3つの対照コホート(BioBank Japan や長浜コホートなど)と比較しました。解析の結果、内斜視群では CDCA7、外斜視群では HLA-F が、上斜筋麻痺群では DAB1 が候補遺伝子として検出されました。さらに、3 群を合わせた解析では RARB(レチノイン酸レセプター β) が統計的有意水準で関連を示しました。本研究では、異なるコントロール群を用いる手法が、斜視のような多因子性眼位異常の遺伝的背景を探る有効な道であることを示唆しています。遺伝的素因を理解することは、将来的にはリスク評価や発症機序解明への糸口となる可能性があります。 【原題】Genome-Wide Association Study with Three Control Cohorts of Japanese Patients with Esotropia and Exotropia of Comitant Strabismus and Idiopathic Superior Oblique Muscle Palsy" |
雑誌名 | Int J Mol Sci |
URL | 39000095 |