所 属 | ゲノム医学センター |
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氏 名 | 松田文彦 |
発表日 | 2024-05-21 |
論文概要 | 海外の複数の機関との共同研究によって、頭の大きさに関係する67の遺伝子を同定しました。うち17の遺伝子における変異は特定の脳領域に影響を及ぼしますが、ほとんどは広範囲に影響を及ぼすことがわかりました。また、この67の遺伝子は様々な癌やp53、Wnt、ErbBシグナル伝達経路で多くみられました。特に、大頭症症候群関連遺伝子(37倍)と高忠実度がん遺伝子(9倍)との重なりが多い事がわかりました。ちなみに、高忠実度がん遺伝子とは、ゲノムの安定性を維持し、DNA修復や細胞周期の制御などにおいて重要な役割を果たしており、変異が起きると、がんの発生リスクが高まる遺伝子のことをいいます。ヒトの身長と関係する遺伝子群とこの67遺伝子の重なりは多くありませんでしたが、進化的な脳の拡大に関連する神経細胞である中間前駆細胞で優先的に発現する遺伝子とこの67遺伝子は染色体上で近い位置にありました。この結果は、初期の脳や頭蓋の成長を制御する遺伝子は、身長に関係なく、後年になってから新生物になりやすさに関係してくることを示していると考えられました。 |
雑誌名 | Cell reports medicine |
URL | 38703765 |