所 属 | 京都大学ゲノム医学センター |
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氏 名 | 田原 康玄 先生ら |
発表日 | 2018-09-27 |
論文概要 | 人が立ち上がった直後では血液が下半身に集中し、上半身をめぐる血液量が一時的に減少しますが、通常はその状態が続くと危険だと判断した脳によって全身の血管を縮めて血圧をあげるように調整されます。この調節がうまく効かないと起立性低血圧を引き起こし、失神を起こすこともあります。一方で、血管を縮める命令まではうまく出せたものの、な何らかの理由でその後の調節が制御できず、今度は起立性の高血圧をきたす現象も知られています。起立性低血圧に関する検証は多く行われているものの、起立性高血圧のメカニズムについてはあまりよくわかっていません。 この研究では、高齢者の前かがみな姿勢に注目しました。高齢者では背骨が曲がって前かがみな姿勢をとることがありますが、この曲がり具合が少ないほど起立性の高血圧が起きる傾向にありました。また、この曲がり具合に加えて腹部の肥満が目立つ場合にも起立性高血圧が起きることが確認されました。従って、このような姿勢や体格がこれまでは見落とされてきた起立性高血圧の引き金となる可能性が示唆されました。 (原題) Small Degree of Lumbar Lordosis as an Overlooked Determinant for Orthostatic Increases in Blood Pressure in the Elderly: The Nagahama Study. |
雑誌名 | American Journal of Hypertension |
URL | 30265274 |