所 属 | 京都大学医学研究科 生活環境看護学 |
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氏 名 | 山下 舞琴 先生ら |
発表日 | 2018-09-14 |
論文概要 | 食塩の取りすぎは高血圧のリスクとして広く認識されるようになってきました。食事によりとった食塩は尿中のナトリウム濃度に反映され、ナトリウムの排出に重要なカリウムとの比をとった尿ナトカリ比は食塩摂取量のマーカーとなることが知られています。およそ5年間の期間を置いて実施された2回の0次健診で得られた尿検査による尿ナトカリ比と、事前に実施した生活質問票の結果に基づき、解析が行われました。 その結果、教育歴が尿ナトカリ比と関連しており、教育を長く受けることができなかった人ほど尿ナトカリ比の値が高まること、すなわち食塩摂取量が高めであることが示されました。同時に野菜や果物、乳製品といったカリウムを多く含む食品をとる頻度についても教育歴が関わっており、教育期間が短くなるほど、そのような食品をとる頻度が低いことも示されました。さらにこのような食生活をする頻度は、婚姻状況や性別の影響を受け、独身男性では特に低くなる傾向にあることもわかりました。 比較的均一な教育環境が整っており、経済的にも比較的安定した我が国においても、とりわけ独身男性を対象としたヘルスリテラシー教育の体制を整えることで、さらなる高血圧の予防効果を発することが考えられます。 (原題)Association between socioeconomic factors and urinary sodium-to-potassium ratio: the Nagahama Study. |
雑誌名 | Hypertension Research |
URL | 30218050 |