所 属 | 京都大学 ゲノム医学センター |
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氏 名 | 田原 康玄 先生ら |
発表日 | 2018-02-28 |
論文概要 | 足関節/上腕インデックス(ABI)は足関節の血圧と上腕血圧の比によって与えられます。通常は、動脈硬化を血管の閉塞状況から測定する検査として実施されています。この研究は抗加齢研究コホート(1,765人)と長浜研究(8,039人)のデータに基づき行われました。 抗加齢研究コホートでは太ももの筋肉量が多いほどABIが高くなる傾向が示され、この傾向は長浜研究によって四肢の筋肉量が多いほどABIが高くなる傾向が確認されたことによって再現性が得られたことになります。この傾向は、BMI(体格)、血圧、頸動脈の肥大、動脈硬化の程度といった筋肉量やABIに関係する特徴とは無関係にみられ、純粋にABIと筋肉量の関係が示されたことになります。 この研究ではさらに糖尿病の指標であるインスリン抵抗性とABIの関係を検証しています。この結果、標準的な筋肉量を持っている人では、ABIが高い人ほどインスリン抵抗性も高まる傾向にある一方で、筋肉量の多い人では逆にABIの低い人ほどインスリン抵抗性が高まる傾向が確認されました。このことから、インスリン抵抗性など臨床的な特徴とABIの関係を考える際には、筋肉量を考慮する必要があると言えます。 (原題)Clinical significance of an elevated ankle-brachial index differs depending on the amount of appendicular muscle mass: the J-SHIPP and Nagahama studies. |
雑誌名 | Hypertension Research |
URL | 29491417 |