所 属 | 京都大学 糖尿病・内分泌・栄養内科学 |
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氏 名 | 大野 洋一 先生ら |
発表日 | 2018-01-22 |
論文概要 | 原発性アルデステロン症とは、副腎皮質と呼ばれる臓器からアルデステロンというホルモンが過剰に分泌され、その働きが必要以上に高まっている状態を言います。特徴として血中のアルデステロン濃度が高まるとともに、ナトリウムとカリウムの交換がうまくいかず、高ナトリウム、低カリウムの状態になります。この病気では、循環器疾患を伴うことが知られていますが、高アルデステロン、低カリウムといった状態が循環器疾患にどのように関わっているのかという事はよくわかっていません。 この研究では高アルデステロン症の患者を対象としたコホート研究のデータと、長浜コホート研究から得られた血圧の高い人たちのデータとを組み合わせて解析を行った結果を報告しています。その結果は、高アルデステロン症患者は、一般健常人の高血圧状態にある人に比べて循環器疾患になるリスクが高いことを示しています。特に血中アルデステロン濃度が125pg/ml以上の場合または、3.5mEq/Lの低カリウム状態にある場合にそのリスクが高まることがわかりました。この基準を満たす高アルデステロン症患者に対しては、そのリスクを考慮し、特別な治療を試みることで循環器疾患の発症を予防できる可能性があるといえます。 (原題)Prevalence of Cardiovascular Disease and Its Risk Factors in Primary Aldosteronism: A Multicenter Study in Japan. |
雑誌名 | Hypertension |
URL | 29358460 |