所 属 | 京都大学 眼科 |
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氏 名 | 吉川 宗光 先生ら |
発表日 | 2017-05-01 |
論文概要 | 人は網膜に映ったものを「見える」と認識していますが、緑内障では目の網膜神経線維と呼ばれる部分が薄くなり、壊れやすくなることでものが見えづらくなってしまいます(これを菲薄化といいます)。 しかし、同じ緑内障でも視野欠損の起こる部位によって生活等への影響は大きく異なります(※たとえば、見えている部分が欠けるにしても、端っこが欠けるのとど真ん中が欠けるのとでは不便さに大きな差があります)。 そこで、近年ではこうした「欠ける場所」の違いに対応した研究が求められています。 これまで緑内障に関連する遺伝子が多く報告されており、緑内障の発症には「遺伝要因」が関わっていることが示されてきました。 今回の研究は、緑内障と関係があるといわれている主要な4つの遺伝子を対象として、それらと網膜神経線維の菲薄化との関連を部位別に調べたものです。その結果、CDKN2Bという遺伝子が失明のリスクが高い中心視野障害、すなわち「視野の中心部分の見えづらさ」と関連していることが分かりました。 今後は持っている遺伝子のタイプ別で、緑内障による失明のリスクを予測したり、予防に活かしていくことが可能になるかもしれません。 原題 Association of Glaucoma-Susceptible Genes to Regional Circumpapillary Retinal Nerve Fiber Layer Thickness and Visual Field Defects. |
雑誌名 | Investigative Ophthalmology & Visual Science |
URL | 28472212 |