所 属 | 徳島大学 先端酵素学研究所 |
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氏 名 | 大東 いずみ 先生ら |
発表日 | 2017-05-01 |
論文概要 | CD8陽性T細胞は古くはキラーT細胞と呼ばれ、がんやウィルスに感染した細胞から体を守る重要な働きをする細胞として知られています。この細胞は体の中の胸腺という場所で成熟します。正しく成熟するためにはその胸腺に存在するプロテアソームというタンパク質を分解する大きな集合体の働きが欠かせません。 以前のマウスを用いた研究から、このプロテアソームの一つであるβ5Tという部分に関する遺伝子に変異があるとCD8陽性T細胞がうまく成熟できないことが知られていました。そこで、ヒトにおいて、このマウスの遺伝子と同じ働きを持つPSMB11という遺伝子の働きを調べたのがこの研究です。 結果、ヒトのPSMB11の変異もまた研究室での実験では、CD8陽性T細胞の成熟に大きな影響を与えることがわかりました。長浜研究の参加者の中にもこの遺伝子の変異を持つ人が少ないながら存在していましたが、その方々のCD8陽性T細胞の成熟具合や風邪の引き方といった病気への影響は見られておりません。実際の人体におけるこの遺伝子の働きについてはまだまだ解明すべき仕組みが残っているようです。 (原題)A human PSMB11 variant affects thymoproteasome processing and CD8+ T cell production. |
雑誌名 | JCI Insight |
URL | 28515360 |