所 属 | 京都大学 眼科 |
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氏 名 | 倉重 由美子 先生ら |
発表日 | 2015-11-01 |
論文概要 | 滲出性加齢性黄斑変性は深刻な視力低下を引き起こす病気の一つです。この病気になると、物を見るうえで大事な網膜の中心部に異常な血管が現れ、出血を起こしたり腫れ上がったりして網膜を障害します。その結果、見ている景色の一部がゆがんだり、暗い部分(暗点)が生じたりし、治療をしてもこのような症状を完全になくすことは難しいのが現状です。この研究では、異常な血管によって引き起こされる、網膜が障害されている領域の大きさには、MMP2とARMS2/HTRA1遺伝子領域上の変異が関わっていることを突き止めました。ARMS2/HTRA1遺伝子領域の変異はこれまでも加齢性黄斑変性との関係が指摘されているものでしたが、MMP2遺伝子の変異は今回の研究で初めて報告されました。従来、MMP2遺伝子は歯の組織で働く遺伝子として知られていましたが、この研究では実験によってMMP2が網膜でも働いていることが示されています。加齢黄斑変性という病気の仕組みを知るためにこれらの遺伝子の働きに注目した研究が期待されます。 (原題)MMP20 and ARMS2/HTRA1 Are Associated with Neovascular Lesion Size in Age-Related Macular Degeneration. |
雑誌名 | Ophthalmology |
URL | 26337002 |