所 属 | 京都大学 呼吸器内科 |
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氏 名 | 松本 久子 先生ら |
発表日 | 2017-02-10 |
論文概要 | 長引く咳は、医療機関を受診するきっかけになる頻度の高い症状の一つです。長引く咳には肺炎、肺がん、間質性肺炎、結核、喘息、鼻炎、慢性閉そく性肺疾患(COPD)など様々な病気が隠れていることがあります。これらの病気に対する治療によって咳が落ち着く方もおられますが、治りにくく咳のために仕事や日常生活がはかどらず、睡眠が障害され困っておられる方もおられます。この研究は長引く咳の頻度や咳と関係する因子を検討したものです。 喘息があると咳は長引きやすいですが、ながはま0次コホート参加者で喘息がないと答えられた方のうち、約10人に1人が3週間以上続く咳(長引く咳)を経験されていました。海外でも長引く咳の頻度は10%前後とされており、同じ程度と考えられます。喘息がないと答えられた方のうち、後鼻漏(喉の奥を落ちていく鼻水)、痰(気管支から上がってくる分泌物、たん)、COPD、胃食道逆流症が長引く咳と関係しており、女性の方が咳は長引きやすいようです。また夜間早朝、天候、風邪、花粉時期などとも関係していました。 咳が長引くときは、医療機関で適切な診断、治療を受けるとともに、花粉時期はマスクを着け、食べ過ぎ、脂っこい食事、香辛料の強い食事などの取り過ぎを避け、ストレスの少ない生活を意識することが大切と言えます。 原題 Risks and cough-aggravating factors in prolonged cough: epidemiological observations from the Nagahama Cohort Study |
雑誌名 | Annals of the American Thoracic Society |
URL | 28186843 |