所 属 | 京都大学 眼科 |
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氏 名 | 網膜中心部の厚さと心房細動の関連を示す遺伝子を発見しました |
発表日 | 2025-08-28 |
論文概要 | この研究では、網膜中心部(黄斑部)の厚さと心房細動(AF)との関連を示す新たな遺伝的要因を明らかにしました。対象は、ながはま0次コホート参加者の9,850 名と、ひさやまコホート参加者の 935 名で、網膜の厚さに関連する遺伝子多型を網羅的に解析しました。その結果、Double PHD Fingers 3(DPF3)遺伝子内の rs4903064 が、網膜中心部の厚さと有意に関連することが確認されました(β = 2.18, P = 2.93 × 10⁻¹³)。さらに、PheWAS(表現型全体関連解析)により、この SNP が心房細動とも関連していることが示されました(β = –0.049, P = 2.50 × 10⁻⁵)。ながはまコホートにおいて、網膜中心部が厚い個体は、早期の心房性期外収縮(PAC)や心室性期外収縮(PVC)のリスクが有意に低いことが示されました(オッズ比 = 0.86, P = 0.022)。これらの結果から、DPF3 遺伝子は網膜構造と心房細動の両方に関与する新たな遺伝子である可能性が示唆され、眼科的評価が心房細動のリスク評価に有用である可能性が考えられます。今後、眼と心臓の健康の関連性をさらに探る研究が期待されます。 【原題】A genome-wide association between foveal thickness and arrhythmia |
雑誌名 | Communications Medicine |
URL | 40877534 |