所 属 | 京都大学 ゲノム医学センター |
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氏 名 | Janice Ou |
発表日 | 2025-08-26 |
論文概要 | この研究は、^1H-NMR 分光法を用いて血漿中代謝物とリポタンパク質の様々なサブクラスを定量し、それらが944 の中間的な表現型(代謝、脂質、肝機能、血液学的指標など)とどのように関連するかを網羅的に解析したもので、ながはま0次コホート参加者のうち302名を対象として行いました。解析の結果、代謝物 18 種およびリポタンパク質 111 種類がクオリティコントロールを通過し、これらと表現型との間で 907 の統計的に有意な関連(p < 4.11 × 10⁻⁷)を見いだしました。特に、トリメチルアミン N オキシド(TMAO)とコレステロール、分枝鎖アミノ酸(ロイシン・バリン)と BMI(体格指数)との古典的な関係が再現された点は注目されます。また、BMI や体脂肪量は LDL-4 や VLDL-1 のサブクラス成分や ApoA1/B100 比、LDL/HDL 比率と正の関連を示し、一方で HDL-1 成分とは逆相関の傾向が認められました。こうしたサブクラス情報は、従来の HDL/LDL 関連指標を補完・深化させうるものであり、心代謝リスク評価への応用可能性が示唆されました。本研究は、比較的小規模な健常者集団でも NMR を用いた代謝プロファイル解析が、慢性疾患のリスクマーカー探索に有効であることを示す貴重な実証例となります。 【原題】Quantitative 1H-NMR spectroscopy identifies metabolites and lipoprotein subclasses associated with intermediate phenotypes of chronic diseases in the Japanese Nagahama Study |
雑誌名 | Scientific Reports |
URL | 40858625 |