所 属 | 京都大学 眼科 |
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氏 名 | 森 雄貴 |
発表日 | 2025-03-17 |
論文概要 | この研究は、中心性漿液性脈絡網膜症(CSC) の発症メカニズムを明らかにすべく、ながはま0次コホートを含む、3 つのゲノムワイド関連解析(GWAS)を組み合わせたメタ解析を行い、さらにマルチオミクス解析を併用したものです。対象はアジア人と白人合わせて8,811名で、さらにアジア人4,338名で再現例の解析も行われました。解析の結果、新規の遺伝子座 rs12960630(LINC01924-CDH7 付近) を含む 4 か所が CSC のリスクに関連することが明らかになりました(P_meta = 2.97 × 10⁻⁹) 。さらに、rs12960630 のリスクアレルは血漿コルチゾール濃度と正の関連があることが示され、CSC における性差の説明にもつながる可能性が指摘されました 。発現量/スプライシング QTL 解析では、これら関連 SNP が生殖器官での遺伝子発現・スプライシングと関係している可能性が示され、性差を説明する仮説を支持しました。さらに、タンパク質 QTL 解析からは、補体系(complement factor H 経路)が CSC の病因に関与する可能性が示されました。これらの成果は、CSC の発症リスク評価や病態解明のための新たな手がかりを提供し、将来的には診断・治療への応用につながる可能性があります。 【原題】 Genome-wide association and multi-omics analyses provide insights into the disease mechanisms of central serous chorioretinopathy |
雑誌名 | Scientific Reports |
URL | 40097481 |